体の中の個性、変異について。
前々回、話に出ました、体の中の個性、つまり変異ですが具体的にどういうものがあるか述べてみたいと思います。今日はちょっと難しくなるので、「ああ、こんなものか」と思って読みとばしていただいても結構です。
大人の体ができるまでには、いろいろなことが体内で起こります。内臓や血管が回転したり、融合したり、一度できあがったものが消えてなくなったりします。それは大体、お母さんのおなかの中、胎児の段階で起こります。
膵臓はもともと2つあったものが1つに融合して大人の膵臓になると考えられています。また大動脈と腎臓をつなぐ腎動脈はいくつかの動脈ができたり消えたりすることを繰り返し、最終的に残った動脈が大人の腎動脈になるとされています。大腸、小腸は体の中で回転することによって出来上がりますし、心臓からでる大動脈などの大血管は胎児の段階で形成された血管が一定部分で消えてなくなることによって出来上がると考えられています。このような過程で変異がおこると、消えるべき血管が大人になっても残っていたり、血管の走行が普通と違っていたりします。私は経験したことがありませんが内臓が位置が左右逆に配置された逆位が生じたりもします。
それを解剖実習でおなかを開けたときに観察することになるわけです。たばこは強力な変異原ですが、妊娠しておられるお母さんの前でたばこを吸ってはいけない理由はここにあります。からだが出来上がる過程で何らかの変異を誘導する可能性があるからです。
次回は、学生たちと、私たち教員がこのような変異にであったとき、どうするかについて紹介してみたいと思います。
次回は、バードウォッチング企画中。
どちらのテーマも来年は新たな趣向を取り入れようと準備を始めています。
皆さん、よかったらご参加ください。また、冬には野鳥観察(バードウォッチング)を企画しています。 こちらもよろしくお願いいたします。
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