『沖縄の久米島のユニークな取り組みをご紹介』
今回は沖縄の久米島のユニークな取り組みをご紹介します。
久米島は沖縄本島の西方約100㎞に位置する人口が7,000人程度の島です。この島には海洋深層水研究所という施設があり、海洋温度差発電(写真、アンクルハット撮影)を行っています。612mの深さから一日当たり13,000トンの海水を汲み上げ、表層水との温度差を利用して電気を起こしています。海洋深層水は、低温安定性、富栄養性、清浄性を特徴としています。そこで島では、発電に利用した冷たく清浄な水を車エビ、海ぶどう、カキなどの養殖に利用したり、葉物野菜の栽培に利用したりしています。特にカキは生で食べてもあたらないカキとして人気です。夏は暑すぎて葉物野菜が育たない南国の島ですが、ビニールハウスに冷水を配管して土を冷やすことによって夏でも地元の葉物野菜が食べられるようになりました。海洋深層水は化粧品にも使われてその付加価値を高め、島の特産品となっています。海洋深層水という無限の資源を無駄なく利用して島に色々な新しい産業を創り出しています。
さて、マグネシウムの話に戻ります。海洋深層水からは塩も製造されています。その後に残った廃棄物が苦汁です。苦汁にはマグネシウムが豊富に含まれています。久米島では海洋深層水の取水量を約10万トンに拡大する計画を進めており、その計画の中でマグネシウムを製造する産業を創出しようというのがアンクルハットの仲間たちの取り組みです。
海水という無限の資源を多方面に利用して産業の振興を行う久米島の取り組みは「久米島モデル」として世界的に注目を浴びています。瀬戸内海は浅いので深層水は得られませんが、資源の複合的な有効利用の取り組みは参考になるのではないかと思います。将来、久米島で得た知見を生口島で活かせたらと願うアンクルハットでした。ではまた。
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