閑居博士のひとりごと。　第49回　『この花は私たち瀬戸田理科クラブにとって思い出深い花となりました。』

この花は私たち瀬戸田理科クラブにとって思い出深い花となりました。

ネジキという落葉低木があります。幹が捻じれたようになるところからその名がつきました。この木は5月中旬から6月初旬にかけてかわいい白い釣鐘型の花を鈴なりにつけます。この花は私たち瀬戸田理科クラブにとって思い出深い花となりました。

2年前の5月、私達は今年の2月に完成発行した「向上寺山　季節の花地図」を作り始めようとしていました。その時その地図作りを担当していたのは、最近お亡くなりになったS.K.さんという瀬戸田理科クラブのメンバーでした。彼女が、向上寺山の頂上に見慣れない可愛い花が沢山咲いていると言い出したのです。調べてみるとそれがネジキでした。つまり花地図作りのプロジェクトは彼女のその一言から産声をあげたことになります。

ネジキは向上寺山の山頂展望台に数多く生えています。また調べたところによると高根島の北岸にも生えているようです。

6月花期を終えた花は直径7，8ミリの実となり、秋に種を放出します。冬芽を携えた枝は深紅で冬の間も美しい彩を与えてくれます。

私たちのネジキとのお付き合いはそれで終わることなく、今年我々の仲間であるM.M.さんが案内人を務めた、「向上寺山　花歩き」というイベントでも、参加者の皆さんにきれいな花の姿を紹介させていただきました。またネジキの1年の移ろいは7月発行の「ネジキ（捻木）の1年の記録」というサイエンスミニレポートのパンフレットにまとめてあります。これは図書館にて、無料で配布しています。興味ある方は是非手にとってみてください。

このようにネジキは私たち理科クラブのメンバーにとって特別な存在になっています。S.K.さんの思い出もネジキとともにあります。今年はもう遅いですが皆さんも5月中旬になったら向上寺山へ登り是非ネジキの可愛い姿を楽しんでいただければと思います。

ネジキの花

閑居博士のひとりごと。　第49回

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