ハクセンシオマネキの巨大ハサミの役割は何でしょうか?
動画で見るハクセンシオマネキの3回目です。今回はハクセンシオマネキの一番の特徴であるオスの巨大ハサミについてです。🦀
ハクセンシオマネキはシオマネキの名前が示すように潮を招くように巨大ハサミを振り回します。何匹ものオスが一斉に巨大ハサミを振る様は圧巻ですが、実際には振る向きと海の方向とは関係がありません。各自がバラバラな方向にハサミを振っています。🌊
しかし、よく見ると左手が巨大ハサミ(左利き)の個体と右手が巨大ハサミ(右利き)の個体があります。これはこれまでの論文で丁寧に調べられていて、左利きと右利きは1対1の比率で現れるとされています。つまり、ランダムに決定されるということです。📚
前2回の閑居博士のひとりごと(50)、(51)で明らかなように、巨大ハサミはエサを採るのにも役に立たないし、巣穴を掘ったり、閉めたりするのにも役に立ちません。では巨大ハサミの役割は何でしょうか?そこにはオスならではの役割が存在します。動画に撮った、その中の重要な2つについて紹介したいと思います。🎥
第一がメスへのアピールです。要するにナンパです。オスは何とかしてメスを獲得し、子孫を残さなければなりません。その時に巨大ハサミを振り上げメスを誘います。メスの周りをこっちへ来い、こっちへ来いと言わんばかりにハサミを振り上げ、周りながらアピールします。💕🦀
次は戦いです。メスを取り合ったり、巣穴を取り合ったり、縄張りを取り合ったりするのでしょう。巨大ハサミ同士でつかみあいながら押したり引いたりします。投げ飛ばされたら負けです。動画では投げ飛ばされたオスがすごすごと逃げていく様子が見て取れます。⚔️🦀
このようにオスにとって巨大ハサミは大切なものです。オスは常日頃、巨大ハサミの手入れに余念がありません。反対側の小さいハサミを使って巨大ハサミを手入れする様子が見られます。🛁✨
これまで3回にわたって、動画で見たハクセンシオマネキの生活を紹介してきました。このカニは生口島・高根島にもたくさん棲んでいます。場所は河口の干潟で砂と泥が混じったところです。見つけるためには双眼鏡があれば便利です。是非皆さんも干潟を双眼鏡で眺めて、このカニを探していただければと思います。🔍🦀
今回紹介した動画は11月16日のみのりや電業さんのてくばり感謝祭で上映します。興味ある方は万障お繰り合わせの上ご来場ください。お待ちしています。
*カニの動画に興味のある方はみのりやさんに連絡してください。お見せできると思います。
オス同士の戦い
閑居博士のひとりごと。 第52回
『閑居博士のひとりごと』の過去の記事が、QRコードからご覧頂けるようにしております
瀬戸田理科クラブ代表が執筆されておられます『閑居博士のひとりごと』の過去の記事が、QRコードからご覧頂けるようにしておりますので、もしよかったらスマホでご覧になってみて下さいね。
瀬戸田 理科クラブさんでは、現在 楽しいプロジェクトやイベントを沢山企画されておられますよ。
知識が豊富で、教養あふれるメンバーの方々がご在籍されておられますので、理科や科学に興味のある方もしよかったら入会してみてはいかがでしょうか? 生口島の新しい発見に繋がるかもしれませんよ。
コメント