このコラムにもたびたび登場するので、ご存知の方も多いとは思いますが、カニの仲間にハクセンシオマネキというのがいます。甲羅の幅が2cmぐらい、オスは両方のハサミ脚のうち片方が異様に大きくなり、シオマネキという名前が示すようにまるで潮を招くかごとく、その巨大ハサミをふりまわすカニです。単にシオマネキというカニもいますがその仲間です。7,8月ごろに体色が白色になり、まるで白い扇を振っているかのように見えるためこの名がついています。このカニは環境省では絶滅危惧II類、広島県では準絶滅危惧種に指定され全国的に保護が叫ばれています。 そこで私たちは生口島、高根島でのハクセンシオマネキの分布を調べてみました。その結果、高根島北岸で1か所、生口島北岸で3か所、南岸で2か所、多くのハクセンシオマネキが棲む場所を確認しました。また両島以外については松永湾、尾道市街、大三島で生息を確認しています。
これらの場所にはいくつかの共通の特徴があります。
1. 干潟であること。満潮時には海に覆われるが、干潮時には陸地になること。
2. 適度な割合で砂と泥が混じった場所であること。
3. 河口の汽水域であること。海水が真水で適度に薄まった条件であること。
の3点です。
つまり、ハクセンシオマネキが生きていくには、きれいな川と、きれいな土と、きれいな海が必要です。これからもハクセンシオマネキが棲める環境を大事にしていきたいですね。
p.s.先月号の鳥の写真をオオジロとしましたがホオジロの間違いでした。失礼いたしました。
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