今回は2題です。
まず1題目はシマアジの話です。とはいっても、魚のシマアジではありません。鳥のシマアジです。
鳥のシマアジはカモの1種です。ただ日本にいるカモはほとんどが冬鳥で、シベリアなど北の国々を繁殖地として夏を過ごし、冬、日本に渡ってきて越冬します。しかしシマアジは旅鳥で、北の国々で夏を過ごすのは同じですが、冬は日本を越えて東南アジアなどのもっと南方に渡り、日本にはその行き帰り、春と秋に立ち寄るだけの生活です。そんなふうに、シマアジはちょっと珍しいカモです。生口島でなくて残念ですが、先日、因島の池で泳いでいるのを確認しました。これから繁殖のために北方に飛んでいくものと思われます。
名前の由来にちょっと触れますと、シマアジのシマは目の上にくっきりとした白い眉斑があるためと考えられています。一方、アジは昔獲って食べたところ美味しかったことに由来するという説があります。本当でしょうか?
私が最初シマアジを見た時は、かなり遠くから見ただけでした。しかし、2回目の今回はすぐ目の前30mぐらいのところではっきりと確認できました。とてもいい経験でした。生口島でも見られるといいのですが、見た方は是非連絡ください。
もう1つの話題です。
3月12日、瀬戸田理科クラブでは野鳥観察会を催しましたが、鳥見をしながら散策した途中、道から50mぐらい離れた木々の山の中に鳥の巣がありました。K.A.さんがカラスが巣の中にいて、動いたとか、動かないとかいって大騒ぎしている。最終的にはM.M.さんが撮った写真の中に産座に座っているカラスがはっきりと確認できました。その人たちを見ていた私は、その様子がとても楽しくて、今回は新型コロナの影響で、野鳥観察会の開催が危ぶまれたのですが、予定通りやってよかったと思いました。
今の時期のカラスはとても危険です。昨日、トビがカラスの巣を伺ったのでしょうか、ものすごい勢いでトビに挑みかかっていました。普段からトビとカラスは仲が悪いですが、この子育ての時期はなおさらであると納得した次第です。
物標本は前もってお願いしてあったので収蔵庫から出してありました。鉄マンガン重石(タングステン)と輝水鉛鉱(モリブデン)です。ともに豊田郡瀬戸田町産と記録されています。タングステンの方はヒトの頭ほどの岩石の中に、幅2cmぐらいの、真っ黒くて硬いタングステン鉱結晶が縦横に走っていました。モリブデンの方はヒトの腹部ほどの大きさの岩石の一部をてかてかと黒光りするモリブデン鉱が占めていました。モリブデン鉱は指で削れるほど柔らかい物でしたが、一緒に行ったK.Aさんは剥がれ落ちたモリブデンをお守りに持って帰ってきました。もちろん許可をいただいた上で。標本については総合博物館学芸員のK.K先生に丁寧に解説していただきましたが、難しくてどこまで理解できたかわかりません。しかし、瀬戸田鉱山調査について、採掘された鉱物を実際にみることによって、実感を得ることができたと思います。これからの活動にプラスの影響をあたえることは間違いありません。1時間ほど見学した後、それぞれの思いを胸に私たちは広島大学をあとにしました。
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