よく知られた野鳥に白鷺がいます。白鷺はおおざっぱにダイサギ、チュウサギ、コサギに分かれますが、ここで問題にするのは1番小さいコサギです。コサギは一年中日本で過ごす留鳥ですが、大きな特徴は足指が黄色いことです。そしてもう一つの特徴は嘴(くちばし)が年中黒いということです。
鳥見を始めた4年ほど前、コサギの写真を撮っていると、何だかよくわからないのだけれども、青い嘴をしたコサギがいます。コサギの嘴は通年黒とされているので、何かおかしいと思いました。しかし、すべてのコサギが青嘴というのではなく、青いのは一部のコサギで、それ以外のコサギは黒です。不思議に思ってカメラを介さず、双眼鏡のみを通してみても青い嘴のものは青です。肉眼でも青嘴が認められればいいのですが、今のところよくわかりません。時期的には夏よりも冬に青嘴のコサギの頻度が高いです。また、コサギは繁殖期に目先と足指が紅くなる婚姻色を呈しますが、婚姻色と嘴の色には関連性は認められないようです。いつも観察している場所のコサギは、他地域のコサギに比べて青嘴の頻度が高いように思われます。従って、嘴の青化には環境や餌などの地域特異性があるのかもしれません。青化する理由はわかりません、しかし鳥の嘴もヒトの皮膚と同じように角化して表面が剥がれ落ちていくと思われますが、その角化層が太陽光線にさらされることによって、青く光っているのではないかと想像しています。また、鳥は紫外線領域の光を見ることができます。青い嘴は鳥が認識できる紫外領域で何らかの色変化をきたしているのかもしれません。
野鳥の会などの野鳥を専門にしている方々にコサギの青嘴のことを聞いてみるのですが、どなたも今までに聞いたことが無いとおっしゃいます。それに、このようなことはすでに報告されているのではないかと文献を調べるのですが、一報も出てきません。どなたか、私と同じようなことを経験された方はいらっしゃいませんか?
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