ハクセンシオマネキは、全体的に白っぽく見え、反対側から見ると若干黒っぽく見えることについて…
今は真冬なので季節的には異なりますが、カニのハクセンシオマネキについてです。
夏、河口の海水と淡水が混じった汽水域の干潟には数百、数千のハクセンシオマネキが出現します。そして大きなハサミ脚をもったオスが、一斉にその大きなハサミを振り上げたり、振り下ろしたりするウェイビングと呼ばれる行動をします。
このカニは7,8月頃からだが白くなり、そのことがハクセンシオマネキという名前の由来ともなっているのですが、ある時何百匹もの大群を見ていると、ある向きから見たときには全体的に白っぽく見え、反対側から見ると若干黒っぽく見えることに気が付きました。双眼鏡で覗いたり、写真に撮ってみてみると、白く見えるのは皆白い背中を向けているからで、黒っぽく見えるのはお腹を向けているからでした。そして面白いことに、その背中の向きは太陽の向きであることに気が付きました。つまりハクセンシオマネキは太陽に背を向けていることが多く、亀でいわれる甲羅干しという状態になっているのでした(以下太陽/背中現象)。
これまで同様の現象は報告されたことがあるか?
この現象にはいかなる意味があるか?
和洋の文献を調べまくりましたが、有意義な文献には出逢えませんでした。どうしたものかと思案していましたが、和歌山県南部に“エビとカニの水族館”という水族館があり、そこを訪れる機会を得ました。学芸員の方と太陽/背中現象について意見交換を行ったところ、紫外線を浴びることによってビタミンDが合成され、それによってカルシウムの体内への吸収が促進されるのではないか。つまり大量のカルシウムを必要とする脱皮に有効なのではないかとのアドバイスをいただきました。また、亀と同様に甲羅干しをしているという考え方もできると思います。これらの推論の真偽はわかりません。しかし、これらの推論を含め、この太陽/背中現象の仕組みを明らかにするために、今いかなることができるのかを考えています。もちろん、実験設備、装備といったものはほとんどありません。
皆さんはこの現象をどうお考えになりますか?
そして、それを明らかにするために何をすればよいでしょうか?
アイデアを募集します。
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