ハクセンシオマネキというカニについての話
今回は前々回に引き続いてハクセンシオマネキというカニについての話です。例年ですと5月ぐらいに干潟に現れますが、今年は暖かいし、干潟にカニの巣穴らしい穴が開いているという情報もあるので、もうすでに姿を現しているのかもしれません。
カニの脚は付け根の方から、底節、基節、座節、長節、腕節、前節、指節という7つの節からなっています。ご存知のようにオスのハクセンシオマネキの片方のハサミ脚は末端のハサミが大きいですが、そのハサミは前節と指節からできており、その2つの節が小さい方のハサミに比べて極めて巨大化しています。
では巨大ハサミは他の脚に比べてどんな様子で大きくなっていくでしょうか。それを調べるために、足の節の長さを測ってみようと考えています。普通、カニの体の大きさを測る方法としては甲羅の幅、甲幅を測ります。そこで甲幅と、巨大ハサミ、その脚の長節、巨大ハサミと反対側の小さいハサミの長さをはかり、例えば甲幅が2倍になった時に、巨大ハサミは長さが4倍(甲幅の2倍)になる、巨大ハサミと反対側のハサミや巨大ハサミ脚の長節では長さが2倍(甲幅と同じ)になるといったようなことがわかればいいなと考えています。
もし巨大ハサミとその脚の長節や他のはさみでの成長の仕方が異なれば、面白い発見となると思います。片方のハサミが巨大化するという事実はよく知られていますが、なぜ、どういう仕組みで片側のハサミだけが大きくなるのかについてはわかっていないからです。
ハサミ、節の長さ、甲幅はノギスを使って測ることになりますが、実際にはかることができるかどうかについてはこれから試して見なければなりません。季節が進み、ハクセンシオマネキが干潟上に現れるようになったら、カニを捕獲して、実際に長さを測ってみたいと思っています。
もし、皆さんの中で、興味があって、一緒にやってみたいという人がいれば、声をかけてください。一緒にやりましょう。みのりや電業さんに連絡していただければ私とコンタクトできるようになっています。お待ちしています。
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