『今回は、マグネシウム電池をご紹介します。』
こんにちは、アンクルハットです。今回は、マグネシウム電池をご紹介します。マグネシウム電池は正式には「マグネシウム空気電池」と言います。
構造は(図1)に示すように、負極(-)が金属極でマグネシウム、正極(+)が空気極で空気中の酸素が使われるので空気電池と呼ばれます。電解液は塩水なので安全性が高く、使用する時に塩水を入れると電気が発生するので、電池本体は軽量で長期間安全に保管することが可能です。
その特長が活かされたアンクルハットの仲間たちのエピソードを一つ。2018年の北海道胆振東部地震では北海道のほぼ全域が停電する大規模停電が起こりました。
そこで古河電池(株)は、MgBOX(写真1)というマグネシウム空気電池1000個を羽田空港から函館空港まで空輸し、現地の被災者を支援しました。通信に不可欠な携帯電話を充電してもらった現地の人々に大変感謝されました。MgBOXは塩水を入れる前の重さがたったの1.6kgで、同容量の乾電池だと80kg以上になるそうです。自動車で使うようなバッテリーは空輸できませんから、これはマグネシウム空気電池だからこそできた緊急支援でした。
藤倉コンポジット(株)も北海道に応援部隊を派遣してWattSatt(写真2)というマグネシウム空気電池で携帯電話の充電サービスを展開して被災者を支援しました。こういうエピソードは本人たちが吹聴しないのであまり知られていませんが、しっかりと社会のお役に立っている実例でした。
現在はまだ使用済みのマグネシウムを回収して再利用する技術とインフラが未整備ですが、将来それらが整ってマグネシウムをエネルギーキャリアとした電池や発電機が活躍する日が来るのが楽しみなアンクルハットでした。ではまた。
(写真提供:古河電池(株)、藤倉コンポジット(株))
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